合同サークル『A.C.S.BreakerS』





  『百合は正義!ジャスティス』天海澄を筆頭に

  『現実主義の理想主義者アイロニービリーフ』Akiyakan
  『我が道を行くゴーイングマイウェイ』揚雲雀
  『万能変態紳士マルチパーベーション』草之敬
  『百合百合同盟イチャラブマンセー』星屑の空

  この5人が送る、一世一代の合同誌。




  

メモリアル・デイズ 〜History of lyrical step〜






  2月14日開催。
  リリカルマジカル8にて、配布決定!








 ※この本は、砒素40グラム、鉛25グラム、チタン15グラム、若気の至り5グラムに
  若人の妄想97キロで練成されています。








     もくじ


  Tomorrow (揚雲雀)              04

  Boy and Girl's Heart (Akiyakan)       22

  教導 (揚雲雀)                  44

  明日が天気でありますように (天海澄)     51

  えぶりでい☆まじっく (草之敬)        66

  月明かりに照らされて (天海澄)        80

  Stay with me (星屑の空)           90

  PROUD (草之敬)                116

  あとがき・作者紹介                132



















  内容あらすじ


  Tomorrow (揚雲雀)

  現実と夢の世界の境目。
  まどろみの空間で、フェイトは違和感を覚える。
  目を覚まし、視線を横に向けると――そこには、アリシアがいた。
  後にフェイトはこう語る。
 『そこには……その世界には、私が欲しかったものが、全てあった』
  A's11話を支点に描く、もう一つの物語。
  人は、ifの世界を願わずにはいられない。そう思わされる、温かくて切ない物語。

 『優しい人だったんだよ。優しかったから、壊れたんだ。死んじゃった私を、生き返らせるために』






  Boy and Girl's Heart(Akiyakan)

  その日。『管理局最強の砲撃魔導師』高町なのはが、撃墜された。
  その事実は、彼女が二度と飛べなくなるかもしれないという事実は、彼女を絶望に叩き落とすのには十分すぎた。
  だが、一年のリハビリを乗り越え、彼女は再び舞い上がった。
  不屈の闘志を胸に、彼女は再び空を掴んだのだ。
  これはそんな彼女が撃墜された日、彼女を慕う人々のサブストーリー。
  人は、自分が想われることを望みながら、人が自分を想っていてくれることに、中々気付けない。
  彼女のことを想うからこそ揺れ動く仲間達。
  その想いは、彼女の不屈の闘志にも負けない、熱い想いなのだ。

 『ユーノ君が、私が怪我をした原因だって言い張るなら、その……責任をとってほしい……かな』






  教導 (揚雲雀)

  最初に、断っておかなければならない。
  この物語は、あくまでも手記である。
  それはすでに起こったことでしかなく、個人的な感情によって書かれたもので、あくまでも二次情報に過ぎない。
  だが、だからこそ見えてくるものがある。
  そこには、現場で彼女と相対し、間近で観察した、現場の生の声が生きている。
  ――さぁ、始めようか。
  これは、一人の教官の視点から見た、生ける伝説の物語。

 『私がいなくなった後も、あの人たちには強くなってもらいたいんです』






  明日が天気でありますように (天海澄)

  とある雨の日。
  一人きりのお休みを過ごすフェイトの元に、突然の来訪者が訪れる。
  その存在を多少いぶかしみながら扉を開けるフェイトは、驚愕に目を見開く。
  なぜならそこにいたのは、雨に濡れ震える、高町なのはの姿だったのだから。
  どれだけ強い“太陽”でも、時には休みたくなる。
  いつも輝いてほしい……というのは、太陽に照らされる側のエゴでしかない。
  ならば――私は、私の大好きな“太陽”を、支えられるのだろうか?

 『……私はこんなにも、お日様が大好きなんだなーって、思ったんだ』






  えぶりでい☆まじっく (草之敬)

  八神はやては我が道を行く。
  何人たりとも彼女の行く手を阻むことはできない。
  彼女の手にかかれば、古代ベルカの騎士ですら赤子同然なのだ。
  だが、そんな彼女でも、敵わないものがある。
  全国2000万人の八神はやてフリークスに送る、汗と涙の物語。
  はやてちゃん可愛いよはやてちゃんハァハァ。
  そうこれは、愛すべき馬鹿達の物語。

 『んー、やったー! イエーイ! とろぴかる☆やっほー!』






  月明かりに照らされて (天海澄)

  華やかな社交界。
  煌びやかに輝くあの人達は、きっと太陽なのだろう。
  だけどアタシは、お月様の方が好きだ。
  優しく輝く、銀色の淡い光。
  よもすれば太陽の光に隠れてしまうその光を、アタシは護りたい。
  例え闇の世界に落とされても。
  その光があれば――アタシは、帰ってこれるから。

 『私が、アリサちゃんだけのものだっていう……証拠が、ほしいな』






  Stay with me (星屑の空)

 「なのはが男と同棲だって!?」
  予想だにしなかったその一言は、フェイトを絶望に叩き落とした。
  その真偽をめぐり、誤解が誤解を呼んで、二人は引き裂かれる。
  大好きだからこそ、その想いを裏切られた時、ショックは大きい。
  こんな時どうすればいいか……彼女達は、知っている。
 『全力全開! 完全本気の大勝負!!』
  こうして、管理局最強と、管理局最速の一大決戦の火ぶたが切って落とされた。
  ……結界魔導師、何十人集めればいいんだろう?

 『それじゃ……私たちの関係は……?』






  PROUD (草之敬)

  ――人は、その繋がりを『絆』と呼ぶ――
  特別救助隊のエースとして働くスバルの元に、突然舞い込んできた特別任務。
  それは、次元犯罪者の罠にかかった高町なのはの救出任務だった。
  かつての恩師に再開できる喜びと、そんな彼女が救助を要請する事態への戸惑いを抱え、スバルは任務を開始する。
  だが、悪魔のような男の前に、なのはも、スバルも、絶体絶命の危機に陥ってしまう。
  もうだめだ。そう、頭をよぎった瞬間。
  彼女達を助けたのは、意外な人物達だった。

 『あきらめてんじゃねえよ、馬ァ鹿』












  EXTRA Stage

  例えば、生命の危機に瀕した瞬間。
  例えば、何気ない日常。
  例えば、突然の非日常。
  例えば、異なる主張の人物と相対した時。

  いついかなるとき、どんな状況状態でも、自分の信念を貫き実行する――ぶれない人間と言うのは、中々いない。

  例えば、死の恐怖に打ち震えながら、大切な人を咄嗟に庇う人物。
  例えば、絶対に譲らない理念を持ち、それを実践する人物。
  例えば、予想外の咄嗟の出来事でも、変わらず動ける人物。
  例えば、どのような主張が相手でも、自らの主張を曲げない人物。

  人間という存在は意外に曖昧で、同じ主張を続けることは、ほとんど不可能に近い。

  例えば、大切な人のために躊躇わずに自らの命を差し出すことが、君にできるか?
  例えば、普段から一貫した信念の基変わらない行動を取ることが、君にできるか?
  例えば、緊急事態でも普段と同じ理念に基づいて対応することが、君にできるか?
  例えば、立場が違う相手の貴賎身分問わず主張を曲げないことが、君にできるか?

  いついかなるとき、どんな状況状態でも、自らを貫き、想いを現実にすることのできる、強く尊い精神。


  人はそれを『黄金の精神』と呼ぶ。




  壊滅した、時空管理局の支部。
  周囲を見渡しても、確認できるのは瓦礫の山、燃え盛る炎……そして、敵わなかった局員達の屍のみ。
  1000余名いたはずのその支部の局員は、50に満たない機械兵と、たった4人の魔導師によって全滅した。

  その管理局支部の、最後の生き残り。
  身体の所々から血を流し、デバイスを破壊され、両脚を失った彼には、抵抗の気力も手段も残されていない。
  瓦礫の山を背もたれとして座り、最後の瞬間を迎えようとしている彼に、リーダー格と思われる魔導師が問いかける。

 『我々は、“黄金の精神”を持つ者を探している』

  黄金の精神。
  そう問われて――刻限の迫る彼の脳裏に浮かんだのは、以前出会った一人の少女。
  桜色の魔力を持ち、強く尊い信念を持った……彼の生涯の中で唯一、心の底から憧れた年下の魔導師。

 『…………たかまち、なのは』

 『……感謝する。安らかに眠れ。強き者よ』

  リーダー格の魔導師が、彼に告げた別れの言葉。
  だが、その言葉は、彼の耳には届いていない。
  そのことに気付き、リーダー格の魔導師は悲しそうに苦笑した。

 『高町なのは。君は――我々に、死を与えてくれるのか?』




  魔法少女リリカルなのはStrikerS外伝

 “黄金の精神を持つ者”


  第一話『管理局最強の砲撃魔導師』




 『私は、私だよ。それ以上でもそれ以下でもない』








  作者紹介

  合同サークル『A.C.S.BreakerS』

  『EXBreaker』天海澄
  『月と星とが見える場所』Akiyakan
  『POLYMERARTS』揚雲雀
  『歯車屋敷』草之敬
  『青い空に魅入られて』星屑の空




































































  ちなみに。




  EXTRA Stageは嘘予告です。
  て言うかそんな時間あるわけないじゃん。
  そんな話本にしたら、普通の文庫本くらいの厚さになるぜマジで。


  今回は百合ありシリアスありギャグありですが、そんな内容のお話は収録されてません。


  読んでみたい方は、リリカルマジカル8当日に自分が好きなSS書きさんに直談判してください。

































   Tomorrow
            揚雲雀



  懐かしい匂い。爽やかな風。
  遠い過去に嗅いだ匂いだった。せせらぎが運んできた風だった。
  さえずりが意識に加わり、失われていた五感のほとんどが呼び覚まされると、懐かしさと優しさが混じったあたたかみが体中をふわっと包んでいた。自分の温もりを感じるという朝特有の不思議な現象を感じながら、フェイトは目を覚ました。
  不思議と体に疲れはない。ついさっきまで、疾走していた覚えがあるのに、今の体からはそんなことは感じられない。非現実的な感覚に乗って、彼女は夢心地のまま隣を向いた。
 「……え?」
  そこには、自分と瓜二つな髪の毛をした女の子がこちらに背を向けて寝転んでいた。布団越しに感じられるのは確かな温もり。ふと見上げた瞳に映ったのは、遠い昔に住んでいた場所だ。
 「ここは……」
  どうして自分がここにいるのだろう、いや、そもそもここはどこだろう。あの場所がここにあるはずがない、そうぼんやりと感じていたフェイトに更なる混乱が襲いかかる。
  コン、コン、とノック音。びっくりして扉の方を向けば、それに続いたのはあまりにも懐かしい声だった。








   Boy and Girl‘s Heart
                        Akiyakan



 「――なのはっ!!」
  バン、と音を立てながら扉が開かれ、そこに一人の少年が姿を現す。
  年の頃、十代前半と言ったところか。金色の髪の毛や東洋人よりも白い肌は、西洋系の人種に見える。
  余程急いで駆けつけて来たのか、彼は息を切らしており、その端正な顔を歪めていた。
 「ユーノ……」
  彼の存在に気が付いて、一人の少女が振り返る。彼よりも鮮やかな金色の髪を持つ彼女は、その赤い瞳を不安げに揺らめかせていた。
 「フェイト、なのははっ!?」
  思わずユーノは、フェイトに詰め寄る様な形で聞いてしまう。彼女は辛そうに顔を逸らし、それから目の前のガラスを見た。
 「……!?」
  その光景を見て、ユーノは言葉を失った。
  ガラスの向こうは集中治療室となっており、そこにあるベッドの上には、一人の少女が横たわっていた。
  全身には無数の管が伸びており、口元には酸素供給用のマスクが添えられている。裸になっている上半身は包帯でぐるぐる巻きにされ、そこには血が滲んでいた。
  亜麻色の髪の毛と強い意志を持った瞳を持つその少女は、瞳を閉じたまま動く気配を見せない。傍らにある機械が刻んでいるグラフだけが、彼女が生きている事を伝えてきた。








   教導
          揚雲雀



  はしがき


  私はこの手記の作者である男に会ったことはない。ちょっとした偶然で、この男の出自を調べる必要があり、遺族の許可を得て男の遺した書斎を調べている時にふと発見したのだ。高名な彼とは似ても似つかわぬこの手記は、おそらく男の羞恥のために長く部屋の奥に隠されていたのだろう。私が見たときは、既にこの手記はほこりが被っており、さらに少し黄ばんでいた。
  先に忠告しておきたいが、私にはこの手記を世に出すことでこの男の隠された恥をさらけ出そうというタブロイド紙の記者がやりそうなスクープを作り出そうという意図はない。人間、若かりしときは必ず失敗するものであり、それはこの男であれ君であれ変わりはない。「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」と言うではないか。やはり高名な戦技教官として生前名が高かったこの男は、一生の恥を遺すことはなかった。この手記を読む諸君にあたっても、高名なこの男が恥をもって知った大切なことをどうか理解してほしい。
  諸君は「教導」という語句にこめられた意味を理解しているだろうか。諸君が教育隊を目指すのか戦技教導隊を目指すのかどうかは関係ない。教える立場にあるならば私は知っておかなければならぬと思うのだ。そもそも男は戦技教官であった。彼の成功は戦技教官を目指すものは「教導」の意味を知らなければならないという証明であろう。
  答え合わせは男の手記を見てほしい。諸君のために、ひいては諸君の指導を受けるミッドチルダの後塵のためになれば幸いである。








   明日が天気でありますように
                     天海澄



  時空管理局のお仕事と、普通の学生生活の両立。
  初めの頃は大変だと思ったけど、慣れてしまった今ではそうでもない。
  管理局はそういう個人の事情を最大限配慮してくれるし、緊急時はともかくとして平時は学生生活が送れる程度の余裕を持って仕事を分配するから、両立も決して不可能なことではない。
  それに私には、支えてくれる家族と、同じ苦労を分かち合える大切な人がいるから。
  頑張れば、何とかなる。
  やる気と情熱さえあれば、目の前に積まれた書類の山だって、どうにかすることができる。
  だけど。
  どれだけ頑張っても、やる気と情熱に満ち溢れていても、一人じゃ乗り越えられないことが、たまにある。
  そしてそんな時は、どうしようもなく、誰かに甘えたくなるわけで。








   えぶりでい☆まじっく
                  草之



 「あづ〜い。ホンマありえへんやろ。なにこれ、なーにこれ。神様私がなにか悪いことしましたか、それとも私がかわいくて仕方がないからそんなイジワルするんやろか。いやぁ、なんと言いますか、罪な女ですわん。そんなかわいいはやてちゃんの頼みは聞いてくれへんのやろうか。お願いやから、この暑さをどうにかこうにかしてくれへんかなぁ。それが無理なら地球温暖化でも止めたってや〜。まぁ? 私魔導師ですしおすし? この部屋を涼しくするくらい造作もありゃせんのやけど、騎士服ってあれ、つまり防護服やから、実は温度とかも適切なところに保ってくれんねんで。やねんけど、あれ、見た目からして結構ゴテゴテやん? 見てるだけで暑苦しい! あれはひどい。涼しいのに涼しくない! なにこれ。なーにこれ。あー、あれ(以下略)てことで、シグナム、この水着着てくれへん?」
 「お断りします、主はやて」
  夏だった。
  そしてはやてが取り出した水着はスリングショットだった。この際どうやってこの水着を手に入れたかを問うのは野暮というもの。そこは、中学生が買っているのを見て不思議に思わない店員が悪いのだ。
  話は戻って今年一番の真夏日。気温は三十六度を超え、湿度もうっとうしいほどにまとわりつく。「いってきます!」と一歩外に出れば、「ごめんなさい」と謝りながら家の中にトンボ返りしたくなるほどの猛暑だった。
 
  そのただなかにあって、八神家のすべての冷房がぶっ壊れていた。








   月明かりに照らされて
                  天海澄



  銀色の月明かりが、辺りを照らしている。
  そこに昼間のような明るさはない。本の文字を読むのにも苦労するほどの明かりで、だけどそこには、太陽にはない温かみがある。
  陽光。月光。
  どちらが優れていて、どちらが劣っているのか……なんて、そんなことを評価するのはナンセンスだわ。
  月明かりは美しい。
  それでいいじゃないの。
 「少なくとも、野外でお酒を飲むのには十分だわ」
  今宵は満月。
  そんな日には、月を眺めながらお酒を飲むのが相応しい。
 「……アリサちゃん」
 「なに、すずか?」
 「私達はまだ未成年だから、お酒はちょっとまずいんじゃ……」
 「何言ってるのよ。ここは私有地なのよ? そこまで、警察は入ってこないわよ」
 「でも……」
 「もう。すずかは心配症なんだから。それを言い出したら、社交界での無礼講はどうするのよ。政財界の大物達は、むしろ私達みたいな若輩にお酒を飲ませたがるわよ?」
 「それは、そうだけど……」
  オロオロとするすずかの仕草が可愛らしい。
  そういう風にされると、ちょっと意地悪したくなる。
 「それともすずかは、私のお酒は飲めないのかしら?」








   Stay with Me
              星屑の空



  君と一緒にいる事が当たり前だと思っていた。これからもずっと、ずっと君の隣で笑って、泣いて、喜んで、一緒に生活していって。
  これからもそう続くと信じていたんだ。君と一緒にいられると本気で。だけどそれが違うと、間違いなんだって気付かされたのは機動六課が解散してからだいぶ経った日の事。四か月の長期航行の任務から帰ってきて、本局にその報告書を提出しに行った日。その日、私は幼馴染のはやてと偶然会った。
 「なんやぁ、フェイトちゃんやないか! 久しぶりや!」
 「久しぶり、はやて。元気にしてた?」
 「そらもちろん! 私含めてシグナム達も元気やよ。もう元気過ぎて毎日がてんてこ舞いや」
 「そっか、よかった」
 「フェイトちゃんは報告書の提出か? それとも次の任務の準備?」
 「報告書の提出。さっき四カ月の航行から帰って来たばかりなんだ。これからクロノのところに行こうとしてたところだよ」
 「なるほど、なるほど。執務官はやっぱり大変やなぁ。四か月も艦に箱詰めにされて。
  そうや! フェイトちゃん、それが終わったら一緒にお茶せぇへんか? フェイトちゃんはきっと知らへんと思うんやけど、この間ここのメニューが一新されたんよ。私もまだ行ってへんし、どんなメニューがあるか気になるねん。一緒に行かへんか?」
 「うん、いいよ。提出が終わったらどこに行けばいいかな?」
 「せやったらそのままラウンジに来てな! 待ってるで!」
 「はーい」








   PROUD
          草之



  ミッドチルダから次元航行艦を使って約一日の距離。
  今回の任務は、とても単純なものだった。不法研究をしている魔導師がいるとして、それを取り押さえるために、武装隊に出動命令が下ったというだけのこと。あまり大きくはないのか、内勤派の執務管がそれを担当し、その指揮下に入るというかたちで武装隊の一個中隊が配属された。
  その武装隊の隊員の中に、『管理局のエースオブエース』を謳われる高町なのはがいたのは、本当に偶然だった。
  高町なのはが武装隊の教導員として出向したのが、ちょうど一週間前。
  ちょうど新人の教導を担当していたこともあり、また、今回のような簡単な任務であることから本隊が動くことはなく、新人らの経験値の蓄積を目的として、なのはを伴っての出動となった。
  次元航行艦で現場に向かうまでの間、隊員たちはそれなりにリラックスしていた。なぜなら、『エースオブエース』高町なのはの教導を受けた者としての自信があったからだ。たった一週間ではあるものの、その教導の内容は色濃く、少ない時間で充分に実力の底上げがあったのも確かだったからである。
 「じゃあ、動きの確認をするね。よろしいですか、デューゼル執務官?」
 「ああ、私はお飾りの執務官なのでね。指揮は高町教導官が担当するのだから、イチイチ確認するまでもないだろう」
  デューゼル・アンヴァルト執務官は、内勤派の執務官だった。名は体を表す、というのだろうか、「弁護する者」という意味の『アンヴァルト』一族は彼の父、デューゼル、彼の息子と三世に渡って全員が執務官という、エリートに数えられる家系だった。
  しかし、その全員が内勤派の法務担当という、珍しい家系でもあった。今回もデューゼルが出張った理由は、「現場の状況を見て、不法研究をしている魔導師の罪を動かぬものとすること」という、つまり、部隊の体は成しておくという、彼自身も言っていた「お飾り」状態なのである。
 「まず、部隊を大きく二つに分けます。不法研究をした魔導師を拘束する部隊と、研究資料を差し押さえる部隊。聞いて解るとおり、魔導師側には私が、資料側にはデューゼル執務官が同行します。相手は単独ではなく、グループで動いています。研究内容も生体改造系の、極めて悪質なものです。油断だけはしないように」
























  続きは本を買ってね☆




  合同サークル『A.C.S.BreakerS』   メモリアル・デイズ 〜History of lyrical step〜


  リリカルマジカル8 A.C.S.BreakerS


     定価700円くらいで発売予定!


  東国四季先生の、素敵な表紙が目印です。










































  今回は700円の価値があるよ本当に

  表紙だけでもお金払う価値ありますよ。四季先生超気合い入ってますよ

  でもぶっちゃけ、全部売れても赤字なのは合同誌でも変わらないんですよ

  今回は参加者様方のファンの方々も見るだろうから、どんな人達が買って行ってくれるんだろうなぁ……