「ヴィヴィオと〜」
 「はやての〜」
 「銃火器講座〜!」

 (ぱちぱちぱち)

 「そんなわけで始まりました。早くも大人気? ヴィヴィオとはやての銃火器講座」
 「……まさか、本当に人気? になるとは思わんかったわ」

  二日間での訪問者数600人(2010/1/31〜2010/2/1)
  何をどう考えても、過去最高の訪問者数。
  いや、なんと言いますか。
  食い付きがいいのは嬉しいんですけど、果たして受けているのかどうか。
  タイトル負けして『なんだ、作者のオ○ニーばっかりで面白くねーなー』と思われてなければいいんですけど。
  Web拍手での反応が一切ないから、実は期待外れで面白くないのかもしれない、と思っていたり。

 「ちなみに、Webラジオ風企画だから、不人気だと打ち切りもあるよ?」
 「中途半端な物真似やのに、そんなとこだけリアルにWebラジオ真似んでもええやん」
 「でも、Webラジオで不人気打ち切りってあんまり聞かないね」
 「作者が試聴しとるんが、たまたま人気のある奴ばっかりだからやないか?」

  瑞穂坂学園校内放送部……なんて、知ってる人はあんまりいないだろうな。
  でも人気だったから名前変えて続いたしなー。
  結局どのWebラジオでも、中の人には大抵固定ファンがついてるんだから、そういう人達が支えるから何だかんだで生き残っているのだろうか? 

 「そもそも、普通に長編や短編を更新するよりもよほど食い付きがよかったと言う」
 「Web拍手でも突っ込みあったけど、こんなこと(銃火器講座)しとる暇あったら本編更新せーちゅー話でもあるしなー」

 (ヴィヴィオとはやて、台本をめくりながら)

 「じゃあ、そろそろ本編。第二回の今回は『その2 拳銃についてA』です」
 「……A?」
 「作者の構成ミスです。本当はここで一気に解説しようと思ってたんだけど、よく考えたら分量がかなりのものになるし、とても前回予告した劇中登場武器の解説ができないから、分割するんだって」
 「さすが、行き当たりばったり計画」
 「そもそもこの講座も、かなり思いつきだしね」
 「…………ご利用は、計画的に」
 「…………コホン。では、気を取り直して」
 「前回のおさらいや、ヴィヴィオ先生!」
 「はいどうぞ、はやてちゃん」
 「拳銃とは、拳銃弾を撃つことのできる銃の総称である※」
 「その通りです、はやてちゃん」


 ・前回のおさらい

  拳銃=ピストルは、拳銃弾を撃つことのできる銃の総称である。



 ※作者注1
  突っ込まれそうだから、次回説明しますが先に言っておきます。
  短機関銃は拳銃弾使うやん、と思ったそこのあなた。
  日本の法律的には、『短機関銃は拳銃扱い』です。
  だから、ミネベアの9mm機関拳銃も、H&KのMP5も、日本では拳銃です。(元々機関拳銃は拳銃だけど、ミネベア9mm機関拳銃に関しては完全に短機関銃だよね、スペック的に)
  だから、民間だけでなく司法にも銃刀法の厳しい日本の特殊部隊は短機関銃を持てるのです。
  グレーゾーン? 法律の抜け穴?
  そんなこと言いだしたら、自衛隊の存在そのものがグレーですよ。
  文句は日本の法律に言ってください。


 「なんか、私情混じってない?」
 「あー、ついでに言っておくけど、作者は右巻き違うでー。武器好きやけど、戦争は反対の人やー。ただの厨二病こじらしただけのかわいそうな人なんや」
 「あと、百合好きーな病気にかかっちゃった人でもあります。……で、おさらいも終わったところで、今回は拳銃を更に細かく分類していきます」
 「みんな、ここからちょっとややこしくなるかもしれへんけど、なるべく優しく単純化して特徴を捉えながら伝えるから、頑張ってなー」
 「拳銃は、まず弾倉のタイプから、大きく分けて回転式拳銃と自動拳銃の二種類に分けることができます」
 「あ、私知ってるで。回転式拳銃って、リボルバーのことや」
 「そうそう。リボルバーは、銃火器に疎い人でも聞いたことがあるんじゃないかな? レンコンみたいに穴の開いた弾倉を使う拳銃のことだね」
 「天空の城ラピュタで、ムスカ大佐が使ってた銃やな」

 リボルバー弾倉

 「これが引き金を引くごとに回転して、次の弾丸が発射できるようになるんだ」
 「じゃあ、自動式拳銃は?」
 「これが、俗に言うハンドガン。四角い弾倉=マガジンに弾丸をこめて、セミオート射撃ができるようになってる銃だよ」
 「あー。バイオハザードで序盤に主人公が持ってる奴やな。それか、ジャック・バウアーが最初に持っとる奴」

 自動拳銃弾倉

 「そう言えば、セミオート射撃って?」
 「セミオート射撃って言うのは、引き金を引くだけで、弾丸の発射→空薬莢の排出→次弾の装填、までを自動でやってくれる射撃システムのことだよ」
 「……ちゅーことは、自動でやってくれない銃もあるんか?」
 「うん。はやてちゃん鋭いね。レバーアクション、ポンプアクション、ボルトアクション。色々あるけど、この辺の仕組みの銃は引き金を引いた後に、空薬莢の排出→次弾の装填を自分で操作しなくちゃいけないんだ」
 「面倒やな。それ、今でも使われとるん?」
 「使われてるよ」
 「え、なんで? 不便やん」
 「そっちの方が、操作に信頼性があるの。詳しくは、また別の回に※」


 ※作者注2
  薬莢とは、弾丸と、弾丸を飛ばすための火薬が入っているケースのことです。
  弾丸+火薬+薬莢+雷管、が一組になって、ひとつの弾丸が構成されているわけです。
  でも、それを銃に込めて発射すると、後に薬莢が残ります。
  いざ実戦となると、その薬莢を素早く排出して、次弾を装填しなければなりません。
  これを手動で操作しなければならないのが○○アクションで、引き金を引くだけで発射から次弾の装填、引き金を引くだけでいいような状態にしてくれるのが、セミオートです。
  この辺の細かいメカニズムは、また別の回にやると思います。今以上にややこしい内容なので、おそらく発展編で。
  ここでは、弾倉に弾が残っている限りは、引き金を引けば弾が発射できるという理解さえしてもらえれば十分です。


「で、次に示すのが、代表的な回転式拳銃と自動拳銃の図だよ」

 回転式拳銃=リボルバー  自動拳銃=ハンドガン
 「ちなみに、画像はgoogle画像検索で適当に拾ってきたそうです。S&WのM19とベレッタM92」
 「正直やな」
 「なんか色々解説付きで、都合がいいからこれを採用したんだけど……ぶっちゃけた話、今回は書いてある文字は気にしなくていいです
 「ええんか、それで?」
 「細かい各部の名称なんて、まだ知らなくても困らないよ。今回は引き金と弾倉の位置さえ分かれば困らないって」
 「位置っちゅーと……回転式拳銃の弾倉は銃の真ん中にあって、自動拳銃の弾倉はグリップの中にあるってことか?」
 「そういうことです。この、弾倉の位置の違いが、両者を大きく隔てているのですよ」
 「つまり――レンコン型の弾倉が銃の真ん中、外から見える位置にあるのが回転式拳銃=リボルバーで、四角い弾倉=マガジンがグリップの中に内臓されているのが自動拳銃=ハンドガンなんやな※」
 「まとめ的説明ありがとう、はやてちゃん」


 ※作者注3
  引き金を引くだけで薬莢の排出から次弾の装填までオートでやってくれるから、セミオート、自動拳銃なのです。
  じゃあセミじゃないオートもあるの? という問いには、おそらく次回に回答できますので、しばしお待ちを。
  拳銃の更に細かいカテゴリ分けも次回にやります。
  今回は、リリカルなのはの劇中に出てきた、拳銃に分類される銃火器の解説を優先させていただきますね。それが(序盤の)主題なので。


 「そういうわけで、劇中に出てきた銃火器解説!」
 「まずは、StrikerS Xに出てきたルネッサ・マグナス執務官補の、シルバーダガーについてやな」
 「……作者は、ルネッサさんに物申したいそうです」
 「え、そんなアニメ(ドラマCD)のキャラに文句いっても仕方ないやん?」
 「……はやてちゃん、それはちょっとメタすぎ」
 「あや、ごめんごめん」
 「もう。……で、文句を言いたい理由ね。ここから先は、ちょっと実戦的な話になっていきます。はやてちゃん。さっき拳銃をリボルバーとハンドガンの二種類に大別したけど、2010年21世紀の現時点で、闘争の場では、どっちが使われている現場が多いと思う? つまり、どっちの銃が人気なのか」
 「へ? ……うーん、ハンドガンの方と違うか?」
 「その根拠は?」
 「えーとな。リボルバーの方は、見ても分かる通り6発しか弾丸が入らんやろ? それに比べて、ハンドガンのマガジンにはそれ以上の弾が入りそうやから、有利やろうなーって」
 「さすが八神はやて部隊長。目の付けどころが素晴らしいね」
 「ん。ありがと」
 「結局、はやてちゃんの言ったことが、リボルバーとハンドガンの実戦運用でのネックなの。銃に込めることのできる弾丸は無限じゃない。弾を撃てば当然装填された数は減るし、弾倉の中から弾がなくなったら、補充しないといけない」
 「道理やな。カートリッジシステムだって、カートリッジは使った分デバイスに補充せんとあかん」
 「で。最大6発まで、しかも一発一発手で込めないといけないリボルバーに対して、ハンドガンは最低でも6発最大では18発を一度に装填できる上に、マガジンごと交換できるから、時間的ロスが少ない」
 「リロード=装填の最中は、完全に無防備やもんな。手間や持ち歩ける数を考えると、どうしてもハンドガンに軍配があがるわな※」


 ※作者注3
  リボルバーの弾丸装填ですが、スピードローダーというものがありまして、6発一組で持ち歩けるように、リング状の器具に弾丸をはめ込んだものもあります。
  ですがそれでも、基本的に13発前後の装弾数を誇るハンドガンのリロード速度には敵いません。
  どちらにしろ、リボルバーの装填は、一発一発レンコン型の弾倉に入れて行く、というのが基本です。
  なお、リボルバーには6連以外にも、5発装填の小さいか極端に大きいやつと、7〜8発装填のパチモンがあります。サタデーナイトスペシャルってやつですね。


 「……でもそしたら、リボルバーは何のために存在するん? ハンドガンよりも優れた部分がないんなら、使用する意味がないやん」
 「うん。それなんだけどね。リボルバーが、ハンドガンに敵う……と言うか、決定的にハンドガンよりも優れたところがあるからなんだ」
 「その、優れた部分とは?」
 「頑丈なところ」
 「……それだけ?」
 「あ、ひどい。実戦の場において、これはとてつもなく重要なことだよ。命のやり取りをする闘争の場で、大事なときに壊れて動かない武器や壊れやすい武器になんの意味があるの?ほら、さっき言ったでしょ。ハンドガンはセミオート機構だって」
 「ああ、言ったな。忘れた人は、ちょっと戻ってセミオートの説明を見て来てや」
 「ハンドガンには、薬莢排出と次弾装填のメカニズムが組み込まれています。では、はやてちゃん。このメカニズムは、一体何を動力にして動いているのでしょうか?」
 「うーん……電池?」
 「ブッブー。はやてちゃん、それは最悪な答えだよ。ハンドガンのセミオートメカニズム。それは、弾丸発射の反動を利用して動いてるんだよ」
 「反動?※ そんな不確かなもので?」


 ※作者注4
  ニュートンの運動法則の第3法則、作用反作用の法則です。
  弾丸が当たれば人は死ぬことからも分かるように、弾丸は相当な勢いで発射されています。
  そして、運動する物体には当然のごとく反作用がかかります。
  壁を殴ったら自分の手が痛いのは、作用反作用の法則です。ボールが二つぶつかって二つとも弾かれるのも、作用反作用の法則です。
  この反作用を利用して、セミオートのメカニズムは動きます。
  作用反作用は中学生で習う内容(だったハズ)なので、みんな分かるよね?


 「そう。はやてちゃんの言うとおり、不確かなんだ。弾丸発射の反動をあてにして動くなんて、言葉だけ聞いても、すごく不安定で不確かだよね」
 「そうやな」
 「それに加えて、セミオート機構の仕組みは結構複雑で、熱膨張による僅かな金属部品の膨張・縮小で動作不良を起こしやすくなるんだ」
 「それって、例えば寒冷地や熱帯地方では誤作動を起こしやすいってことなんか?」
 「その通り。他にも、粉塵や砂塵なんかの塵やゴミにも弱いんだ。精密機器だから」
 「へー。万能無敵に見えても、やっぱり弱点はあるんやね」
 「もちろん、銃のメーカーとかによっても違ってくるけどね。それに対して、リボルバーは頑丈。なにせ見ても分かる通り、仕組みがものすごく単純だから、どんな環境でも動きます」
 「あー。なるほど」
 「リボルバーはあまりにも構造が単純だから誤作動を起こす余地がなくて、いついかなる場所どんな時でも使うことができるし、弾詰まりも起こさない。加えて、頑丈なので、威力の高いマグナム弾を撃つことのできるマグナムは基本的にリボルバーなんだ※」


 ※作者注5
  マグナムに関しても、またいずれ。
  俺のビックマグナム、と思った人。
  怒らないから、前に出てきなさい。


 「ここではとりあえず、マグナム弾=威力が高いけど、その分反動が強いからヘタすると銃が壊れちゃうかもしれない弾と思ってください」
 「リボルバーはとにかく頑丈やから、マグナム弾でも撃てるような強度にできるんやな。おーけー、把握したで」
 「リボルバーの魅力は確実性。だから、リボルバーの運用方法の基本としては@最低限の護身用武器Aメイン武器が使えない時のバックアップとして運用されるのが基本なんだ」
 「攻撃力に疑問が残るけど、確実に動くから主に緊急時の武器として使われる、と。まるで防災用具みたいなコンセプトやな」
 「さて。ここまで説明して、ようやくルネッサさんの銃、シルバーダガーについて説明できます」
 「劇中では確か、許可をもらって使用している実弾式リボルバー、ってことやったな?」
 「そう。なら、どうして6発しか撃てない銃をわざわざ許可をもらってまで使用していたのかな?」
 「あれ? リボルバーの方が有利なんと違うの?」
 「いざというとき、あるいはマグナムのような高威力弾を使うならともかく、通常の戦闘では手数が多い方が有利じゃない? 動作不良なんて、起こるときは起こるけど、そんなにしょっちゅう起こるものじゃないし」
 「……確かに、始めからハンドガンを使った方が良さそうやな」
 「これがね、シルバーダガーはあくまでも護身用、って言うのならいいんだよ。護身用なら普段使わない、あるいは積極的に戦闘に参加しないことが前提なんだから」
 「必要最低限しか必要ない護身用に、ハンドガンは必要ないってことやな。で、いつ使うことになるか分からんから、動作に不安の残るハンドガンよりはいつでも確実に動くリボルバーの方が良いと」
 「だけど、劇中でルネッサさんはシルバーダガーを主武装として、戦線に突っ込みました。厳密に言えばヘリから降下しました」
 「……マグナムだったんじゃない?」
 「口径にもよるけど、マグナムって基本的に反動きついから、普通は女性が持つものじゃない。大体、マグナムだったらヴァイス陸曹が反応するよ」
 「うーん……」
 「これ、例えるなら、日本刀持った侍に脇差で決闘を挑むくらいにアンバランスなことなんだよね※。いくら援護があっても、同じことしろって言われたら仕事でも嫌だよ」


 ※作者注6
  短刀で刀を制する技術は、確かにあります。
  それに作者は修得している古武術流派の関係で、脇差みたいな短刀で打刀の相手をできないこともありませんけど。
  ただ、段位的な関係でほとんどやったことがないので、自分は嫌です。


 「つまり、なんの変哲もないリボルバーのみで前線で戦うことはおかしいと、言いたいわけです」
 「護身用武器しか持ってないんなら前線に出るな※、っちゅーことやな」


 ※作者の感想
  つまり、お前死にたいのか? と言いたいわけです。
  いや、そりゃあ、リボルバーで戦う戦士もいるでしょう。
  ですが、ルネッサはどう考えても戦闘のエキスパートではありません。同じ銃使いであるティアナやヴァイスのように戦うことがお仕事ではありません。
  そんな人が実戦に参加すること自体どうかと思いますし、それ以上に、前線に出るなら、せめてハンドガンを使うのが司法組織として自然なんじゃないの? と言いたいわけです。
  同じくリボルバーを持っている日本警察だって、銃を使うのはあくまでも最終手段であって、前線にあの武装では参加しないでしょう?
  あれは、動作の信頼性、過剰武装でないことのアピール、使用頻度の少なさという、政治的意味も含めたがためのリボルバー装備なんです。
  だからこその、潤沢な武器を持った特殊部隊なのです。

  質量兵器原則禁止だからじゃないの、という疑問もあるかと思います。で、ハンドガンの方が火力(威力じゃなくて装弾数)があるから規制が厳しいのかもしれません。
  それだと、中途半端な性能しかない武器を使って前線に出ることを管理局が許可した、ということになるのですよ。
  これは、どこかの二次創作SSサイトのレジアス中将が言っていたことなんですけど、
 『質量兵器とは、我々魔法を使えない者達が、前線で戦う友の背中を護るためのものだ』
  うろ覚えですが、大体こんな感じ。
  この言葉に感銘を受けた身としては、そんな中途半端な許可はどうかと思うのです。
  最低限自衛のために許可を出すことのできる武器がリボルバーと言うならば、最低限の自衛しか行使できない立場の人間は前線に出てはいけない。
  前線に出ることが前提にも関わらずリボルバーの許可しか出ないのならば、それは前線の兵士に死ねと言っているに等しいことです。
  武器ってのは結局、自分を含めた誰かの身を護るために、あるいは、絶対に曲げられない自分の主張や信念を通すためにあるのです。
  だから、局員の命を護ろうという意志が管理局にあるのならば、このような中途半端な許可はあってはいけないのです。
  無論、やむを得ない緊急事態は例外です。
  ですが、最低限自衛の手段としてリボルバーの許可を与えるならばその人物が前線で戦わないように徹底する、魔法防御の使えない人物を前線に出すのならば自分の身を護るためにもっと強力で使用者が生き残れるような武器の許可を出す。
  そのくらいの配慮は、必要なのではないでしょうか。
  不用意に非戦闘員を前線に出すな、ということですね。
  管理局の魔導師とは人の命を護るお仕事です。その護る命には、局員のそれも含まれてしかるべきであり、それを前提にした行動指針や装備品でないといけないのです。


 「次、ECディバイダーについて」
 「銃剣※のついたリボルバーやな」


 ※作者注7
  銃剣=バヨネット
  銃のバレル=銃身の下や横に取り付けるための刃物です。今はナイフが主流。
  本体は1メートル近い長さがあるために、近接戦闘に向かないライフルに取り付けるものです。
  拳銃はライフルに比べて小さいから、近接戦闘でも取り回しできますし、無理に取り付ける必要はないんですけど。
  ここ数年でCQCが見直されている感があって、実際にハンドガンの銃身下にナイフを取り付けることもあるので、これ自体は的外れな運用ではないかと。
  日本の古武術流派に銃剣道があることからも分かるように、日本は昔から銃剣装着時の近接戦闘に力入れてます。
  なお、アンデルセン神父が投げてるのも銃剣です。あのくらいの長さがあって、それだけでも剣として運用できる銃剣もあります。


 「そういうわけで、ECディバイダーに銃剣がついていること自体は否定しません。さっきも言った通り、リボルバーは頑丈さが取り柄の銃だから、それに銃剣を取りつけてガチンコで斬り合い殴り合いをすることも、できないこともないです。魔法デバイス(ECディバイダーの正体はひとまず置いといて)だから、構造や弾丸に言及するのも意味ないし」
 「ガチンコで打ち合ったら銃身が曲がりそうやけどな。まー、魔法のデバイスやから、その辺は強化できるし」
 「うん。ただ、あえて言わせてもらうなら、トーマの持ってるECディバイダーはリボルバーだけど、ヴェイロンが持ってるECディバイダーは短機関銃かな? で、明らかにトーマの持ってるECディバイダーよりも、ヴェイロンの持ってるECディバイダーがおかしい」
 「ただまぁ、これ全部魔法の道具やからな。形の矛盾があっても実際に銃の機構で動いとるわけやないし」
 「結局そこなんだよね。ルネッサさんみたいに非魔導師だったらともかく、魔導師だと多少無茶な運用をされても、魔法の力で万事解決、ってなっちゃう」
 「だって、このアニメのタイトル『魔法少女リリカルなのは』やで? テクマクマヤコン魔法の言葉で万事オッケー☆神様もあきれるような〜」
 「はやてちゃん、色々混じってるよ」
 「とろぴかる☆やっほー」
 「その台詞気に入ったの?」
 「では、そろそろまとめに入ろうか」
 「いきなり真面目にならないでよ……」


 ・まとめ


 ○拳銃は、弾倉のタイプから、大きく分けて回転式拳銃と自動拳銃の二種類に分けることができる。

 ・回転式拳銃=リボルバー
  レンコン型の弾倉が銃の真ん中、外から見える位置にある銃。
  頑丈で悪影響下の実働に耐えるが、他の銃器に比べても圧倒的に装填数が少ない。

 ・拳銃=ハンドガン
  四角い弾倉=マガジンがグリップの中に内臓されている銃。
  リボルバーに比べて装弾数が多いが、強度や悪影響下の動作に一抹の不安を残す。



 ○劇中の銃について

 ・ルネッサ・マグナスwithシルバーダガー
  非魔導師で非戦闘員が、リボルバーで前線に出るのは運用方法間違えている。
  リボルバーはあくまでも最低限の護身用、あるいはバックアップ装備として運用するのが基本である。
  前線に出て戦いたいのなら、せめて主武装にハンドガンを用意して、シルバーダガーはバックアップとして使うべき。
  それか、同じリボルバーでも高威力のマグナムにするか。でもマグナムは反動がきついので、女性が扱うのは難しい。

 ・トーマ・アヴェニールwith ECディバイダー
  銃身下に銃剣自体はそれほどおかしくない。ガチンコで斬り合うと、銃身が曲がる気がするけど。
  魔法のデバイスだから運用とか言っても空しい。



 「こんな感じかな」
 「今回は長かったなー」
 「しかも拳銃に関しては、まだ半分くらいなんだよ」
 「……でもこれ、作者の文章をまとめる能力が高かったら、もっと短く分かりやすくできるんと違うの?」
 「それは、言っちゃダメだぞ☆」
 「うーん。それはヴィヴィオのキャラちゃうで」
 「次回のテーマは『その3 拳銃についてB』主に機関拳銃と短機関銃についての講座です」
 「強引に話を変えたな。まーえーけど」
 「台本は大事だし、キャラの忠実な再現なんて今さらだよ。ほら、はやてちゃん。それより、エンディングだよ」
 「はいはいっと。「『ヴィヴィオとはやての銃火器講座』では、皆様からの質問や疑問、リクエストを随時募集中やで〜。何か思うことがあったら、どんどん送ったってやー」
 「じゃあみんな、バイバーイ」
 「また次回、お会いしましょー」


 ※最後に
  バルディッシュのカートリッジシステムはリボルバー式ですよね。
  あれ、バルディッシュはガチンコの殴り合いに使用される……アームドデバイス的な運用をされることを考えると、理にかなってますよね。
  リボルバーシステムの利点は、頑丈なことですから。
  レイジングハートのカートリッジシステムみたいに外付け弾倉にすると、格闘戦では邪魔な上に、オートマチック機構が必要な分、衝撃に対する強度も減りますし。
  そういう意味では、スバルのリボルバーナックルもリボルバー式だから(リボルバーナックルは構造上マガジンは装着できないけど)、意外と理にかなってます。
  グラーフアイゼンやレヴァンティン、ストラーダなんかは、本体に直接カートリッジをはめ込んでますけど、あれはリボルバーの弾倉以上にスペースを取りませんから、本体をより頑丈にできます。
  基本的に、ギミックが増えるほど本体強度は低下するものです。
  つまりベルカの騎士組のデバイスは、ある程度の装弾数を犠牲に、本体の強度を優先した造りになっているわけです。
  バルディッシュのような変則的インテリジェントデバイスと違い、始めから武器として使用されることを前提としたアームドデバイスらしい設計だと思います。