すべての次元世界を揺るがした『ML事件』その解決の立役者となった高町ヴィヴィオ。
ML事件で失ったものは多かったが、それ以上に大切なものを得ることができた。
その最たるものは、ヴィヴィオに仕えるようになった二人の騎士。
一人は、『聖騎士』エリーゼ・ダイムラー。
もう一人は『聖魔導師』アリカ・フィアット。
彼女達とヴィヴィオは主従の関係であり、それと同時に仲の良い友達でもある。
事件後、彼女は聖王教会騎士団や時空管理局からのスカウトを断り、ザンクトヒルデ魔法学院の一生徒として過ごすことを選んだ。
そうして、ヴィヴィオに平凡な日常が戻ってきた。
しかし、運命の神様という存在はすべからく不公平な存在のようだ。
ある日、ヴィヴィオは無限書庫で一冊の本を見つける。
その本に書いてあったのは、封印されていた世界の真実。
その本の記述を元に、ヴィヴィオはついに封印されていた"ソレ"を見つける。
真実を知ってしまったヴィヴィオ。
もう、戻れない。その気持ちが、ヴィヴィオを苛む。
私達が生きるのは、偽りの世界。
この世界を受け入れて過ごすのか。
それとも、一人で世界と戦うのか。
ヴィヴィオは必至に考え……そして、気付いた。
自分は一人でないことに。
私には、仕えてくれる騎士達が、友達がいる。
だから、私は大丈夫だ。
かくしてヴィヴィオは二人の従者と共に世界を敵に回し、かつて栄えた、しかし今は誰もいない世界の孤城に居を構え、世界に反逆する。
理解してくれなくても構わない。
恨んでくれても構わない。
悪人だと呼んでくれても構わない。
私は、世界を正したい。
だから、私は名乗ろう。
世界のために、自らその偉大な名を冠そう。
『聖王』高町ヴィヴィオ。
彼女の"陰謀"が、次元世界を揺り動かす。
そこにあるのは、正義か、悪か。
その答えを決める者は、この世界に存在しない。
勝者のみが、真実を語ることを赦される。
嗚呼―神様。
願わくば、すべての人々に、安らかな幸せを。